社員にしろ、アルバイトの方にせよ、本当に真摯に頑張っていただいていて、頭の下がる思いです。その個々の努力やスキル、組織としてのノウハウ、システムが業績や会社の成長につながっていると思います。退職された方も含め、すべてのスタッフが今日のラックホテルを築いていただいていると思っています。
業績好調のカギは“人財力”
“人財力”
がホテルを支える
ラックホテル株式会社
代表取締役
加瀬 稔彦
社長インタビュー
ラックホテルに人が集まる理由
ーーーホテル業界はコロナ禍以後、深刻な人手不足と聞きます。そのなかでラックホテルの状況はいかがでしょうか?
加瀬社長
人を集めにくい時代であることは確かです。ただ弊社は離職率が10%以下と低く、従業員が定着してくれているのがありがたい限りです。集まる理由というよりも、集まった人が辞めないといった感じでしょうか。
ーーー離職率が10%以下というのはすごいですね。なにか理由があるのでしょうか?
加瀬社長
まずは待遇面。このところ毎年6%台(社員平均)の昇給を実施していますし、年間3.5か月以上の賞与も支給できています。会社としても業績や財務面が安定しているため長期にわたって安心して働いていただけていると思います。また残業・休出が非常に少ないこと、希望日に休みがとりやすいこと、意に沿わない転勤がないことといったワークライフバランスを重視していることですかね。あとは、感覚的にはなりますが、各職場の人間関係が悪くないことも重要でしょう。
ーーー待遇面は高い水準なのではないでしょうか。好待遇を実現できている要因を教えて下さい。
加瀬社長
財務面が安定しているというのはもちろんですが、業界水準では考えないことを大事にしています。ホテル業界にしてはいい方、といった目線ではみていません。社会全体からみたときにどうなんだ?といった視点を持つように心がけています。
ーーーなるほど。ホテルで働く人を増やすにはもっと広い視点でみることが重要なんですね。今後の待遇面の改善で考えていることはありますか?
加瀬社長
子育ての支援はもっと手厚くしていきたいと思っています。子ども手当は支給をしていますが、育休が半年から1年取れるような状況にはまだできていません。子育てしやすい環境づくりをネクストステップと捉えています。
ーーー最近よくカスハラ(カスタマー・ハラスメント)が不安で、ホテルなどのサービス業への就職を躊躇しているという声を聞きますが、ラックホテルの実情はいかがでしょうか?
加瀬社長
当社は、クレームは少ない方だと思います。とくに大きな問題となるようなものは皆無に等しいです。従業員の皆さんには、「お客様は神様ではなく、たいせつな契約相手方」なんだと言っています。お客様の話を十分に聞いて、論理的・理性的に応対することが大事ですが、万一理不尽な要求や不法 行為を受けたら、すぐに警備会社や警察等に連絡するようにしていますし、同僚や上司、弁護士等とも連絡を密にして組織として対応するように徹底しています。従業員を守ることは当然の義務です。
ーーーラックホテルさんの接客はいい意味でカジュアルだとは感じていました。背景にはそういった社長のお考えがあったのですね。
加瀬社長
もちろんお客様へのおもてなしは大切です。ただ比重としては接客よりも、他の業務の方が大きいです。マーケティング、客室清掃の管理、施設の管理、レストランの管理など各社員が担当者として動いてくれています。例えば、レベニューマネジメントでは、宿泊料金の操作を多くの社員が行えるようにしています。1日1日の売上を最大化するためです。
ーーーレベニューマネジメントを多くのスタッフが行えるというのは驚きです。
加瀬社長
そういった他のホテルでは役職付きの従業員が行う業務も分散させることで、マネージャーの負担や全体の残業が少なくなるような体制づくりをしています。
ーーー今後のラックホテルの展望について教えてください。
加瀬社長
時代の波に乗り遅れることなく、堅実かつしなやかに成長していけたらと思っています。逆にいうと闇雲にグループホテルを増やしていくぞ、というわけではありません。「運営力」「人財力」といったリソースがあるので、やる以上は失敗するイメージはありませんが、新規事業も含め、しっかりとチャンスを見極めていきたいです。
ーーーこれから「仲間」になる従業員に望むことは?
加瀬社長
ラックホテルはそれぞれの個性を活かせる「居場所のある職場」でありたいと思っていますが、会社は仲良しクラブではないので、規律も重視していますし、人事においても厳しい一面もあります。当社の従業員にはその道のプロであってほしい。与えられた職務を誠実に全うしている人は立派なプロだと思います。そして、意 志ある人はどんどん新しいことにチャレンジしていってほしいと思います。
ーーーラックホテルで働く価値観や文化についてよくわかるお話をありがとうございました。このインタビューを読んで、ラックホテルで働きたい!という仲間が増えるといいですね。